子供が突然の熱を出し、さらに全身に蕁麻疹が現れると、親としてはパニックになりがちです。しかし、このような状況は小児科の臨床では比較的よく見られるものであり、冷静な対応が求められます。まず確認すべきは、子供の呼吸状態と意識です。蕁麻疹が出ているだけでなく、ゼーゼーという苦しそうな呼吸をしていたり、声が枯れていたり、あるいはぐったりして目が合わないような場合は、緊急を要します。これらは気道に浮腫が起きているサインであり、迷わず救急車を呼ぶか、夜間であってもすぐに病院へ向かってください。一方、子供に活気があり、水分も摂れているようであれば、まずは自宅で症状を観察することができます。子供の蕁麻疹の多くは、ウイルス感染に伴う「感染性蕁麻疹」です。子供の免疫系は未発達なため、風邪のウイルスなどに対して過剰に反応しやすく、熱とセットで皮膚に発疹が出ることがよくあります。この際、親ができる応急処置として最も有効なのは、痒い部分を冷やすことです。熱がある子供は体が火照っており、それが痒みを増幅させます。水で濡らしたタオルや、ガーゼで包んだ保冷剤で優しく冷やしてあげましょう。ただし、全身を冷やしすぎると体温調整を乱すため、部位を絞って行うのがコツです。また、蕁麻疹が出ている時の食事は、消化が良く、アレルギーを引き起こしにくいものを選んでください。サバやエビなどのヒスタミンを多く含む食材や、刺激の強いものは避け、お粥やうどんなど、普段から食べ慣れているものに留めるのが安全です。さらに重要なのが、薬の確認です。熱を下げるために飲ませた座薬やシロップが原因で蕁麻疹が出ている可能性も否定できません。もし薬を飲んだ直後に蕁麻疹が出たのであれば、その薬の成分をメモし、次回の受診時に医師へ伝えてください。お風呂については、熱がある時や蕁麻疹が出ている時は控えるのが基本です。体が温まると血流が良くなり、蕁麻疹が劇的に悪化して眠れなくなることがあるからです。清潔を保ちたい場合は、ぬるま湯で絞ったタオルで体を拭いてあげる程度にしましょう。翌日、小児科を受診する際には、蕁麻疹が出た時の様子をスマートフォンで写真に撮っておくと、医師が正確な診断を下すための大きな助けになります。蕁麻疹は消えやすいため、診察時には綺麗に消えてしまっていることも多いからです。熱と蕁麻疹というダブルの苦しみの中で、子供は非常に不安を感じています。親が落ち着いて対応し、優しく声をかけながら寄り添ってあげることが、子供の回復を早めるための何よりの薬となります。