私が自分の異変を更年期だと認めたくなかったのは、まだ自分は現役で若いつもりだという自負があったからです。四十五歳を過ぎた頃から、夜中に何度も目が覚めて寝汗をかいたり、些細なことで夫や子供に激昂したりするようになりました。仕事でも簡単な計算ミスやスケジュールの失念を繰り返し、以前の自分では考えられないような要領の悪さに絶望する日々が続いていました。周囲からは「疲れているだけ」「年相応の変化」と慰められ、私も病院に行くべきか迷いながらも、高価なサプリメントやマッサージで誤魔化し続けていました。しかし、ある朝鏡に映った自分の顔が、あまりにも暗く険しく、生気を失っていることに衝撃を受け、ついに重い腰を上げて婦人科の更年期外来を予約したのです。受診する直前までは「先生に相手にされないのではないか」「ただのわがままだと思われないか」という不安でいっぱいでしたが、実際に医師の前で今の辛さを吐き出すと、それだけで胸のつかえが取れるような感覚がありました。医師は私の話を遮ることなくじっくりと聞き、血液検査を行いました。その結果、私のエストロゲン値は閉経後の女性と同じレベルまで低下しており、脳から出される命令と卵巣の反応が激しく乖離していることが判明しました。医師から「これはあなたの性格や努力不足のせいではなく、身体の仕組みの変化によるものです。よく一人でここまで耐えましたね」と言われた瞬間、張り詰めていた糸が切れ、診察室で涙が溢れて止まりませんでした。それからホルモン補充療法を開始し、自分の体質に合った漢方薬を併用したところ、わずか数週間で霧が晴れるように体調が回復していきました。あんなに酷かった不眠も改善し、穏やかな心を取り戻したことで、家庭内の空気も劇的に明るくなりました。あの時、勇気を出して病院へ行って本当に良かったと心から思っています。もし今、更年期の症状で病院に行くべきか一人で悩んでいる人がいるなら、我慢を美徳とせずに専門家を頼ってほしいと強く伝えたいです。医療の助けを借りることは決して弱さではなく、自分の人生を再び自分の手に取り戻し、楽しむための前向きな戦略なのですから。
我慢を続けた私が更年期外来で救われた体験記