カンジダという菌は、私たちの身体の至る所に存在している常在菌ですが、増殖する場所によって現れる症状も受診すべき診療科も多岐にわたります。最も広く知られているのは膣カンジダですが、この場合は婦人科が担当となります。強い痒みと特徴的なおりものがサインとなりますが、これと似た症状を示す疾患は他にも多いため、専門医による鑑別診断が非常に重要です。一方で、カンジダは皮膚の湿った場所を好む性質があり、これを皮膚カンジダ症と呼びます。例えば、乳幼児のオムツかぶれの一部や、高齢者の寝たきり状態による皮膚のふやけ、あるいは指の間が常に湿っている調理師の方などに見られる指間びらんなどがこれに該当します。こうした皮膚表面のトラブルに関しては、皮膚科が専門となります。皮膚科では、患部の皮膚を少しだけこすり取って検査し、真菌が原因であることを確認した上で、抗真菌薬の塗り薬を処方します。また、口の中に白い斑点ができる口腔カンジダ症は、抵抗力が落ちた高齢者や、ステロイドの吸入薬を使用している喘息患者さんによく見られます。この場合は、歯科、口腔外科、または耳鼻咽喉科を受診するのが適切です。口腔内のケアと並行して、専用のうがい薬やシロップ状の抗真菌薬を用いて治療を行います。このように、カンジダは全身のどこにでも発生しうるため、何科に行けば良いかは症状が出ている部位に合わせるのが基本です。どこの科へ行っても、真菌の検査は比較的短時間で結果が出るため、その日のうちに治療方針が決定することがほとんどです。大切なのは、場所がどこであれ放置しないことです。カンジダは周囲に感染させる力は弱いものの、自分自身の症状は放置すればするほど悪化し、痛みを伴うこともあります。部位に応じた適切な専門科を早期に受診することが、スムーズな完治への近道となります。