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肩こり解消の鍵。正しい姿勢とストレッチ
つらい肩こりの根本的な原因の多くは、日々の生活の中で、知らず知らずのうちに身についてしまった「悪い姿勢」にあります。いくらマッサージや薬で一時的に症状を和らげても、この根本原因を改善しない限り、肩こりは何度でも繰り返されます。肩こりのない快適な体を取り戻すための鍵は、「正しい姿勢を意識すること」と、固まった筋肉をほぐす「ストレッチを習慣にすること」です。まず、あなたの普段の姿勢をチェックしてみましょう。特に、デスクワークやスマートフォンを操作している時、あなたの頭は、体の中心線よりも前に突き出ていませんか?この「頭部前方突出姿勢」こそが、肩こりを引き起こす最大の元凶です。重い頭(体重の約10%)が前に出ることで、それを支えるために、首の後ろから肩、背中にかけての筋肉(僧帽筋など)が、常に緊張を強いられ、過剰な負担がかかります。その結果、筋肉は硬くこわばり、血行が悪化し、痛みやこりを引き起こすのです。正しい姿勢とは、横から見た時に、「耳、肩、骨盤が一直線上に並んでいる」状態です。パソコン作業をする際は、画面を少し見下ろす程度の高さに調整し、顎を軽く引いて、頭が前に出ないように意識しましょう。一時間に一度は立ち上がり、体を動かすことも重要です。次に、固まった筋肉をリセットするためのストレッチです。仕事の合間にも簡単にできる、効果的なストレッチをいくつかご紹介します。首のストレッチ: 椅子に座ったまま、片手で頭をゆっくりと横に倒し、首の側面を伸ばします。反対側も同様に行います。次に、両手を頭の後ろで組み、ゆっくりと頭を前に倒して、首の後ろ側を伸ばします。それぞれ、気持ち良いと感じる範囲で20〜30秒キープします。肩甲骨のストレッチ: 両手を体の前で組み、背中を丸めながら、腕をぐーっと前に伸ばします。肩甲骨の間が広がるのを感じましょう。次に、両手を背中の後ろで組み、胸を張るようにして、腕を斜め下に伸ばします。肩回し: 両肩に手を置き、肘で大きな円を描くように、ゆっくりと前回し、後回しをそれぞれ10回程度行います。これらのストレッチは、痛みを感じない、心地よい範囲で行うことが大切です。毎日の生活の中に、正しい姿勢の意識と、簡単なストレッチを取り入れること。それが、整形外科に通うよりも効果的な、最高の肩こり治療となるかもしれません。