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大人のいちご舌は放っておくと危険?早期発見の重要性
「たかが舌のブツブツ」と、大人のいちご舌を軽く見過ごしていませんか?しかし、その症状を放っておくことは、時に思わぬ健康リスクにつながる可能性があります。子どもの病気として知られるいちご舌ですが、大人が発症した場合、その背景には潜在的な病気が隠れていることがあり、早期発見が非常に重要となります。私が以前、ある医師から聞いた話では、「大人のいちご舌は、体の内側で何か変化が起きているサインであることが少なくない」と強調されていました。実際に、私の知人で、長期間にわたっていちご舌の症状を放置していた方がいました。最初は「疲れているからだろう」と自己判断し、特に医療機関を受診することはありませんでした。しかし、数ヶ月経っても症状が改善せず、次第に舌の痛みも伴うようになり、食事が摂りにくくなってきたため、ようやく病院を訪れました。そこで判明したのは、なんと重度の鉄欠乏性貧血でした。長年の偏食が原因で、鉄分が極度に不足していたのです。このケースでは、いちご舌が、貧血という全身性の病気を知らせる重要なサインだったと言えるでしょう。鉄欠乏性貧血以外にも、大人のいちご舌が警告する可能性のある病気はいくつかあります。例えば、悪性貧血(ビタミンB12欠乏症)もその一つです。ビタミンB12は、赤血球の生成に不可欠な栄養素であり、不足すると舌の炎症や痛みを引き起こすことがあります。また、自己免疫疾患であるシェーグレン症候群のように、唾液腺の機能が低下して口が乾燥し、それが舌の炎症につながることもあります。さらに、糖尿病などの慢性疾患が口内環境に影響を与え、いちご舌を悪化させるケースも報告されています。ごく稀なケースではありますが、舌癌などの悪性腫瘍の初期症状として、舌の異常が現れることもあります。特に、舌の同じ場所に数週間以上続くしこりやただれ、痛みを伴わない潰瘍などが現れた場合は、いちご舌とは異なる症状であっても、速やかに専門医の診察を受ける必要があります。このように、大人のいちご舌は、単なる口の中のトラブルとして片付けられない場合があるのです。症状を放置することで、基礎疾患の発見が遅れ、病状が進行してしまうリスクがあります。早期に原因を特定し、適切な治療を開始することが、病気の悪化を防ぎ、より早く健康な状態を取り戻すための鍵となります。