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2025年8月
  • たかが肩こりと侮るな。その背景にあるストレス

    知識

    肩こりの原因というと、多くの人は姿勢の悪さや、筋肉の疲労といった「身体的」な要因を思い浮かべるでしょう。しかし、見過ごされがちでありながら、非常に大きな影響を及ぼしているのが、「精神的」な要因、すなわち「ストレス」です。実は、頑固で慢性的な肩こりの背景には、心の問題が深く関わっていることが少なくありません。私たちの心と体は、自律神経によって密接に結びついています。自律神経には、体を活動モードにする「交感神経」と、リラックスモードにする「副交感神経」の二つがあり、これらがバランスを取りながら、体の機能をコントロールしています。しかし、仕事のプレッシャーや、人間関係の悩み、将来への不安といった、精神的なストレスに長期間さらされると、この自律神経のバランスが崩れ、交感神経が常に優位な状態になってしまいます。交感神経が優位になると、体は常に「戦うか、逃げるか」という臨戦態勢に入ります。血管は収縮し、血圧は上がり、そして、筋肉は無意識のうちに緊張し、硬くなります。特に、首や肩周りの筋肉は、ストレスの影響を受けやすく、常に力が入ったような状態になりがちです。この持続的な筋肉の緊張が、血行不良を招き、結果として、痛みやこりを引き起こすのです。つまり、ストレスによる肩こりは、筋肉が疲労しているのではなく、「脳が筋肉に、緊張し続けるように命令している」状態なのです。このタイプの肩こりは、マッサージなどで一時的に筋肉をほぐしても、根本的なストレス源がなくならない限り、脳からの命令は止まらないため、すぐに元に戻ってしまいます。もし、あなたの肩こりが、整形外科で「骨に異常はない」と言われ、ストレッチをしてもなかなか改善しないのであれば、その原因は、心の問題にあるのかもしれません。不眠や気分の落ち込み、食欲不振、原因不明の動悸やめまいといった、他の自律神経失調のサインを伴っている場合は、なおさらです。このような場合は、思い切って「心療内科」や「精神科」に相談してみることも、有効な選択肢の一つです。心の緊張を解きほぐすことが、結果的に、体のこわばりを解消する、一番の近道になることもあるのです。

  • 整形外科だけじゃない。肩こりに関わる様々な診療科

    医療

    つらい肩こりに悩まされ、整形外科を受診したものの、「骨には異常ありませんね」と言われ、湿布や痛み止めを処方されただけで、根本的な解決に至らなかった。そんな経験を持つ方もいるかもしれません。確かに、多くの肩こりは整形外科の領域ですが、その原因は非常に多岐にわたるため、他の診療科の専門知識が必要となるケースも少なくありません。肩こりの治療に関わる可能性のある、様々な診療科の役割を知っておきましょう。まず、前述の通り、基本となるのは「整形外科」です。骨格や筋肉の問題を診断し、物理療法や薬物療法を行います。しかし、肩こりに腕や手のしびれを伴う「頸椎椎間板ヘルニア」などが疑われ、より精密な検査(MRIなど)や、場合によっては手術が必要と判断された際には、より専門性の高い「脊椎外科」や「脳神経外科」へ紹介されることもあります。次に、内科系の診療科です。胸の痛みや圧迫感を伴う肩こりの場合は、心筋梗塞などの危険な心疾患を除外するために「循環器内科」の受診が最優先です。高血圧が原因と考えられる場合は、一般的な「内科」で血圧のコントロールを行います。また、膠原病の一種である「リウマチ性多発筋痛症」は、高齢者に多く、首や肩、太ももなどに、急な強い痛みとこわばりを引き起こします。この場合は、免疫の専門家である「リウマチ科・膠原病内科」が担当します。さらに、頑固な肩こりの背景に、精神的なストレスが大きく関わっていることも珍しくありません。ストレスによって自律神経が乱れ、常に筋肉が緊張状態になることで、肩こりを引き起こすのです。不眠や気分の落ち込み、不安感などを伴う場合は、「心療内科」や「精神科」への相談が有効です。抗不安薬や抗うつ薬の処方、あるいはカウンセリングなどを通じて、心の緊張をほぐすことが、結果的に肩こりの緩和に繋がります。また、痛みの治療を専門とする「ペインクリニック」も、有効な選択肢の一つです。ここでは、神経ブロック注射などを用いて、痛みの悪循環を断ち切るための専門的な治療を受けることができます。このように、一口に肩こりと言っても、その原因に応じて、様々な専門家が関わります。もし、一つの科で改善が見られない場合は、別の角度からアプローチしてくれる診療科の存在を思い出してください。

  • 喉の痛みや違和感。まず行くべき診療科は?

    医療

    喉がイガイガする、飲み込む時に痛む、声がかすれる、あるいは何か詰まったような違和感が続く。こうした喉の不調は、誰もが一度は経験するありふれた症状です。しかし、いざ病院へ行こうと思った時、「この症状は、内科と耳鼻咽喉科、どちらに行けばいいのだろう?」と迷ってしまう方は少なくありません。風邪の一種だから内科?それとも、喉の専門家である耳鼻咽喉科?この最初の診療科選びは、的確な診断とスムーズな治療への第一歩として重要です。結論から言うと、喉の痛みや違和感といった「喉そのもの」の症状がメインである場合は、まず「耳鼻咽喉科」を受診することをお勧めします。耳鼻咽喉科は、その名の通り、耳・鼻・喉(のど)を専門とする診療科です。医師は、喉頭鏡やファイバースコープといった専門的な器具を用いて、肉眼では見えない喉の奥、声帯、あるいは鼻の奥の状態まで、直接、詳細に観察することができます。そのため、単なる風邪による咽頭炎なのか、あるいは細菌感染による扁桃炎なのか、声帯にポリープができているのか、アレルギー反応によるものなのか、といった原因を正確に診断することが可能です。特に、「声がれが長引く」「飲み込みにくい感じがする」「片側だけの喉の痛みが続く」といった症状の場合は、内科では診断が難しい喉の奥の病気が隠れている可能性もあるため、耳鼻咽喉科での診察が不可欠です。もちろん、「内科」を受診することが間違いというわけではありません。喉の痛みに加えて、咳や痰、鼻水、そして発熱や全身の倦怠感といった、いわゆる「風邪症状」が全体的に強い場合は、全身を総合的に診てくれる内科も適切な選択肢です。しかし、もし内科での治療を受けても、喉の症状だけがなかなか改善しない、という場合には、改めて耳鼻咽喉科を受診し、専門的な視点から診てもらうのが良いでしょう。迷ったら、喉の専門家である耳鼻咽喉科へ。それが、つらい喉の不調を的確に解決するための、最も確実な近道です。

  • 私が喉の激痛で耳鼻咽喉科に駆け込んだ話

    生活

    あれは、二月の寒い日のことでした。朝起きると、喉に軽いイガイガ感がありました。いつもの風邪のひき始めだろうと、うがい薬でうがいをし、のど飴をなめながら、普通に仕事へ向かいました。しかし、その日の午後から、状況は一変しました。喉の痛みは、イガイガ感から、明らかに「激痛」へと変わっていったのです。特につばを飲み込むと、喉の奥にガラスの破片でも刺さっているかのような、鋭い痛みが走ります。夜には、熱も38度を超え、体中の節々が痛み始めました。これはただの風邪ではない、と直感しました。翌朝、鏡で喉の奥を見てみると、自分でも驚くほどの光景が広がっていました。左右の扁桃腺は、見たこともないくらい真っ赤に腫れ上がり、表面には、まるでカッテージチーズのような、白い膿がびっしりと付着していたのです。これはもう、市販薬でどうにかなるレベルではない。そう判断した私は、すぐに近所の耳鼻咽喉科に予約を入れました。診察室で口を開けると、医師は一目見るなり、「ああ、これはひどい扁桃炎ですね。溶連菌の検査をしましょう」と言い、長い綿棒で喉をこすられました。結果は、やはり陽性。「急性化膿性扁桃炎」、いわゆる溶連菌感染症でした。医師からは、抗菌薬と、強い痛み止めの薬が処方されました。「この薬を飲めば、明日にはだいぶ楽になりますよ。でも、合併症を防ぐために、10日間、必ず全部飲み切ってくださいね」と、強く念を押されました。その言葉通り、薬を飲み始めてからというもの、あれほどひどかった喉の激痛と高熱は、翌日には嘘のように和らいでいきました。あの時、自己判断で「風邪だろう」と様子を見ていたら、もっと症状が悪化し、入院が必要な「扁桃о周囲膿瘍」などに進展していたかもしれません。喉の尋常ではない痛みと、目に見える異常は、体からの緊急事態を知らせる重要なサインなのだと、この経験を通して痛感しました。そして、やはり「餅は餅屋」、喉のトラブルは、喉の専門家である耳鼻咽喉科に診てもらうのが一番だと、心から実感した出来事でした。

  • 手足口病の後遺症?爪が剥がれる原因と対処

    医療

    手足口病の嵐のような症状、高熱や激痛がようやく治まり、日常生活に戻れるようになった数週間後。ふと自分の指先を見ると、爪に白い横線が入っていたり、根元から浮き上がってきたりしている。中には、爪が完全に剥がれ落ちてしまうことも。このような現象に遭遇すると、「何か悪い後遺症なのでは?」と、新たな不安に駆られるかもしれません。しかし、安心してください。これは「爪甲脱落症(そうこうだつらくしょう)」と呼ばれる、手足口病の回復期によく見られる現象であり、過度に心配する必要はありません。では、なぜこのようなことが起こるのでしょうか。爪は、指の根元にある「爪母(そうぼ)」という部分で作られています。爪母が、日々、新しい爪の細胞を作り出すことで、爪は少しずつ前に伸びていきます。しかし、手足口病にかかると、高熱や体内の強い炎症、あるいは栄養状態の悪化といった、体にとっての大きなストレスが、この爪母の働きを一時的に「ストップ」させてしまうことがあるのです。爪の工場が、数日間、操業を停止してしまうようなイメージです。病気が回復し、体の状態が元に戻ると、爪母は再び爪の生産を再開します。その結果、一時的に生産が止まっていた部分と、新たに作られ始めた部分との間に、溝や断層ができてしまいます。この断層が、爪が伸びるにつれて、白い横線として見えたり、爪が浮き上がったり、最終的には古い爪が剥がれ落ちる、という形で現れるのです。この現象は、手足口病を発症してから、約1〜2ヶ月後に見られることが多く、手の爪だけでなく、足の爪にも起こります。爪が剥がれる際に、痛みはほとんどありません。大切なのは、剥がれかけている爪を、無理に引っ張ったり、剥がしたりしないことです。無理に剥がすと、下にある柔らかい皮膚を傷つけてしまう可能性があります。爪切りで引っかからないように短く切り、絆創膏などで保護しながら、自然に剥がれ落ちるのを待ちましょう。その下には、すでに新しい健康な爪がちゃんと育っています。この爪のトラブルは、体が大きな病気を乗り越えた「勲章」のようなもの。焦らず、新しい爪が生え揃うのを待ちましょう。

  • 熱はないのに頬が赤い。考えられる様々な日常シーン

    生活

    子供の頬が赤くなっていると、親はすぐに「病気かしら?」と心配になりがちです。しかし、熱もなく、かゆみや湿疹もなく、子供自身は至って元気な場合、その赤みは、病気とは関係のない、ごく日常的な生理現象であることがほとんどです。心配しすぎる前に、どのようなシーンで子供の頬が赤くなりやすいのかを知っておくと、冷静に様子を見ることができます。まず、最も一般的なのが「体温調節」に伴う赤みです。子供は、大人に比べて新陳代謝が活発で、平熱も高めです。そのため、少し体を動かしただけで、体温が上がりやすくなります。運動したり、興奮してはしゃいだり、あるいは大泣きしたりすると、体内の熱を放出しようとして、顔、特に皮膚の薄い頬の血管が拡張し、血流が増加します。その結果、頬が真っ赤になるのです。これは、体が正常に体温調節を行っている証拠であり、全く心配のいらない生理的な反応です。また、「寒暖差」も、頬の赤みの大きな原因となります。寒い冬の日に、冷たい屋外から、暖房の効いた暖かい室内に入った時、多くの子供の頬は、まるでリンゴのように赤くなります。これは、寒さで収縮していた血管が、暖かい環境で急激に拡張するために起こる現象です。これも、一過性のものであり、しばらくすれば自然に元の色に戻ります。さらに、乳児期によく見られるのが、「睡眠中の赤み」です。赤ちゃんがぐっすりと眠っている時、体が温まり、血行が良くなるため、頬が赤くなることがあります。特に、うつ伏せや横向きで寝ていて、片方の頬だけが布団に圧迫されて赤くなっている、というケースもよくあります。これも、起きてしばらくすれば消えてしまう一時的なものです。その他にも、食事中に体が温まって赤くなることや、歯が生え始める時期に、歯ぐずりと共に頬がほてって赤くなることもあります。重要なのは、赤み以外の症状がなく、子供の機嫌が良く、食欲もいつもと変わらないかどうかを観察することです。もし、これらの条件を満たしているのであれば、その頬の赤みは、子供が元気に生きている証拠。温かい目で見守ってあげましょう。

  • その赤み、食べ物が原因かも?食物アレルギーと頬の湿疹

    医療

    離乳食が始まったばかりの赤ちゃんや、色々な食べ物を口にするようになった幼児の頬に、赤い湿疹やかぶれのような症状が出た時、それは「食物アレルギー」が原因である可能性を考える必要があります。食物アレルギーとは、特定の食べ物に含まれるタンパク質を、体が「異物」と認識し、それを排除しようと免疫システムが過剰に反応することで起こるアレルギー反応です。その症状は、じんましんや咳、呼吸困難といった即時型のものだけでなく、湿疹やかゆみといった、皮膚に現れる遅延型のものもあります。特に、乳幼児期に多いのが、口の周りや頬に現れる湿疹です。原因となる食べ物が、口の周りの皮膚に直接触れることによる「接触性皮膚炎」と、食べたものが体内に吸収されてアレルギー反応を起こし、皮膚に症状が出る場合があります。例えば、卵や乳製品、小麦といったアレルギーを起こしやすい食品を初めて食べた後や、トマトや柑橘類、キウイフルーツなどの、口の周りに付着すると刺激になりやすいものを食べた後に、口の周りや頬が赤くなったり、ブツブツとした湿疹が出たりすることがあります。よだれが多い時期には、よだれと食べ物のカスが混じり合って、さらに皮膚への刺激が強くなることも少なくありません。もし、特定の食べ物を食べた後に、決まって頬が赤くなる、というパターンが見られる場合は、食物アレルギーの可能性を疑ってみる必要があります。家庭でできる対処法としては、まず、食事の前後には、口の周りを濡れたガーゼで優しく拭き取り、清潔に保つことです。そして、食後には、ワセリンなどの保護効果の高い軟膏を口の周りに塗って、皮膚を刺激から守ってあげるのも有効です。しかし、自己判断で特定の食品を完全に除去するのは避けるべきです。不必要な食物除去は、子供の成長に必要な栄養を妨げることにもなりかねません。食物アレルギーが疑われる場合は、必ず「小児科」や「アレルギー科」を受診し、専門医に相談しましょう。医師は、詳しい問診や、皮膚テスト、血液検査などを行い、原因となる食物を特定します。そして、専門家の指導のもと、安全な範囲で、どのようにその食品と付き合っていくかを計画していくことが、最も重要です。

  • 肩こりの治療。病院で行われることとは

    医療

    つらい肩こりに耐えかねて、意を決して整形外科などの病院を受診した場合、具体的にどのような治療が行われるのでしょうか。病院での治療は、その場の痛みを和らげる対症療法と、根本的な原因にアプローチする原因療法を組み合わせて行われるのが一般的です。まず、痛みが強い場合には、症状を緩和するための「薬物療法」が行われます。最も一般的に処方されるのが、「非ステロイド性消炎鎮痛薬(NSAIDs)」です。炎症を抑え、痛みを和らげる効果があり、飲み薬だけでなく、湿布や塗り薬といった外用薬もよく用いられます。外用薬は、直接患部に作用するため、全身への副作用が少なく、気軽に使用できるのがメリットです。また、筋肉の過度な緊張が原因である場合には、筋肉のこわばりを和らげる「筋弛緩薬」が処方されることもあります。次に、薬物療法と並行して行われるのが「物理療法」です。これは、電気や温熱、牽引といった物理的なエネルギーを利用して、痛みの緩和や血行の改善を図る治療法です。代表的なものに、首をゆっくりと引っ張ることで、頸椎の間隔を広げ、神経への圧迫を和らげる「頸椎牽引療法」や、低周波や干渉波といった電気刺激を筋肉に与えることで、血行を促進し、痛みを和らげる「電気治療」、ホットパックなどで患部を温める「温熱療法」などがあります。これらの物理療法は、リハビリテーション室などで、理学療法士の指導のもとに行われます。さらに、痛みが局所的で、特に強い場合には、「ブロック注射」という選択肢もあります。これは、痛みの原因となっている神経の近くや、筋肉の硬結(トリガーポイント)に、局所麻酔薬やステロイド薬を直接注射することで、痛みの伝達をブロックし、強力に症状を抑える治療法です。ペインクリニックなどで専門的に行われることが多いです。そして、これらの治療と並行して、最も重要となるのが「運動療法(リハビリテーション)」です。理学療法士などの専門家が、患者さん一人ひとりの状態に合わせて、ストレッチや筋力トレーニングの方法を指導します。正しい姿勢の取り方や、日常生活での注意点についてのアドバイスも行われます。病院での治療は、単に薬をもらったり、機械にかかったりするだけでなく、自分自身の体と向き合い、生活習慣を改善していくきっかけを与えてくれる場所でもあるのです。

  • その赤み、りんご病じゃないかも?考えられる原因

    医療

    子供のほっぺが、まるでりんごのように真っ赤になっていると、多くの親がまず「りんご病(伝染性紅斑)」を疑うでしょう。確かに、りんご病は子供のほっぺが赤くなる代表的な病気ですが、実は、その原因は一つではありません。りんご病以外の様々な要因でも、子供の頬は赤くなることがあります。他の病気の可能性や、日常的な原因を知っておくことは、不必要な心配を避け、適切な対処に繋がります。まず、りんご病以外の原因として最も考えられるのが、「皮膚の乾燥と刺激」です。子供の皮膚は、大人に比べて非常に薄くデリケートで、バリア機能も未熟です。特に、冬場の乾燥した空気や、冷たい外気、暖房の効いた室内といった環境は、皮膚の水分を奪い、乾燥させます。乾燥した皮膚は、外部からのわずかな刺激にも敏感に反応し、炎症を起こして赤くなりやすいのです。よだれや、食べこぼし、涙などを拭き取る際の摩擦も、赤みの原因となります。次に、アレルギー反応の可能性も考えられます。「食物アレルギー」で、特定の食べ物を食べた後に頬が赤くなったり、「接触皮膚炎(かぶれ)」で、化粧品や金属、植物などが触れた部分が赤くなったりすることがあります。また、「アトピー性皮膚炎」の症状の一つとして、頬に赤みや湿疹が現れることも少なくありません。さらに、ウイルス感染症の中にも、頬の赤みを伴うものがあります。例えば、「溶連菌感染症」では、喉の痛みや発熱と共に、顔や体に細かい赤い発疹が出ることがあり、頬が赤く見えることがあります。また、稀ではありますが、膠原病の一種である「全身性エリテマトーデス(SLE)」では、鼻から両頬にかけて蝶が羽を広げたような形の赤い発疹(蝶形紅斑)が現れることがあります。その他にも、単純に、寒い場所から暖かい部屋に入った時の「寒暖差」による一時的な血管の拡張や、興奮したり、泣いたりした時にも、血行が良くなって頬は赤くなります。このように、子供の頬が赤くなる原因は多岐にわたります。赤み以外の症状(熱、かゆみ、湿疹の有無など)をよく観察し、原因に応じた適切なケアをすることが大切です。

  • 私のトイレ悩み。コーヒー一杯で落ち着かない日々

    生活

    私は、昔からコーヒーが大好きです。朝の目覚めの一杯、仕事中の気合いを入れる一杯。しかし、いつからか、この大好きなコーヒーが、私の悩みの種になっていました。それは、「飲んだら、すぐトイレに行きたくなる」という、非常に切実な問題でした。特に、午前中の大事な会議前は最悪です。会議が始まる直前にコーヒーを飲むと、開始15分後には、もうそわそわし始めます。「トイレに行きたい」。その思いが頭をよぎった瞬間から、会議の内容は全く頭に入ってきません。額には冷や汗がにじみ、ただひたすら、膀胱の感覚に全神経を集中させることになります。発表者の言葉も、BGMのように右から左へ流れていくだけ。結局、会議の途中で、申し訳なさそうに手を挙げて、席を立つこともしばしばでした。また、長距離のドライブや、電車での移動も、私にとっては大きなストレス源でした。出発前にうっかりコーヒーを飲んでしまうと、高速道路のサービスエリアや、次の停車駅までの時間が、とてつもなく長く感じられます。「次のトイレはまだか」。そればかりを考え、景色を楽しむ余裕などありません。この悩みは、だんだんと私の行動を制限するようになりました。「映画を見る前は、絶対に飲み物を飲まない」「大事な商談の前は、コーヒーではなく水にする」。そうやって、自衛策を講じるうちに、好きな時に好きなものを飲む、というささやかな自由さえ、失われていくような気がしていました。最初は、「体質だから仕方ない」と諦めていました。しかし、あまりの不便さに、一度、泌尿器科で相談してみることにしたのです。医師は、私の話をじっくりと聞いた後、「過活動膀胱のような、病的な状態ではなさそうですね。カフェインに対する感受性が高く、冷えも影響しているのでしょう」と診断してくれました。そして、カフェインの摂取量をコントロールすることや、体を冷やさない工夫、そして「膀胱訓練」という、少しずつトイレを我慢する時間を延ばしていくトレーニング法を教えてくれました。病気ではないと分かっただけでも、心が軽くなりました。今も、私のトイレが近い体質は変わりません。でも、自分の体のメカニズムを理解し、上手な付き合い方を学んだことで、以前のような過度な不安からは、少し解放されたように感じています。