冬になると、子供の頬がカサカサになり、赤みを帯びてくることがよくあります。これは、りんご病などの感染症ではなく、冬特有の「乾燥」と「寒さ」が引き起こす、一種の皮膚トラブルであることがほとんどです。子供のデリケートな肌を、冬の厳しい環境から守るためには、その原因を理解し、正しいスキンケアを実践することが大切です。子供の皮膚は、大人に比べて厚さが半分から三分の一程度しかなく、皮脂の分泌量も少ないため、水分を保持する力が弱く、非常に乾燥しやすいという特徴があります。特に冬場は、空気が乾燥している上に、室内では暖房が使われるため、肌の水分はどんどん奪われていきます。乾燥してカサカサになった皮膚は、バリア機能が低下し、外部からのわずかな刺激にも敏感に反応してしまいます。冷たい外気が直接頬に当たることや、マフラーや衣服が擦れるといった物理的な刺激が、炎症を引き起こし、血管が拡張して赤みが生じるのです。これが、冬に子供の頬が赤くなりやすい、基本的なメカニズムです。この冬の頬の赤みを防ぎ、改善するための基本は、にもかくにも「保湿」です。スキンケアのポイントは、以下の通りです。洗浄は優しく: お風呂では、洗浄力の強い石鹸は避け、低刺激性のベビーソープなどをよく泡立てて、手で優しく洗ってあげましょう。ゴシゴシこするのは厳禁です。お湯の温度も、熱すぎると皮脂を奪いすぎてしまうため、38〜40度程度のぬるま湯が適しています。入浴後すぐに保湿: お風呂上がりは、肌の水分が最も蒸発しやすいゴールデンタイムです。タオルで優しく水分を押さえるように拭き取ったら、間髪を入れずに、すぐに保湿剤をたっぷりと塗ってあげましょう。保湿は一日数回: 保湿は、お風呂上がりだけでなく、朝の着替えの時や、外出から帰ってきた時、よだれや食べこぼしを拭いた後など、一日に数回、こまめに行うのが効果的です。特に乾燥が気になる部分には、重ね塗りをしましょう。保湿剤の選び方: 子供の肌に合った、低刺激で無香料、無着色のものを選びます。ローションタイプのものは伸びが良いですが、乾燥が強い場合は、より保湿力の高いクリームタイプや、さらに保護効果の高いワセリンなどの軟膏を重ねて使うと良いでしょう。これらのスキンケアと合わせて、加湿器で室内の湿度を50〜60%に保つことも重要です。
冬に多い頬の赤み。乾燥と寒さから子供を守る