喉の痛みは、風邪の初期症状として最も一般的なものの一つです。しかし、その痛みの裏には、単なる風邪では済まない、専門的な治療が必要な病気が隠れていることもあります。いつもの風邪だと自己判断して放置していると、症状が悪化したり、重篤な事態に繋がったりする可能性もあるのです。ここでは、単なる風邪の喉の痛みと、注意すべき喉の痛みの違いを見分けるためのポイントを解説します。痛みの強さと種類: 風邪による喉の痛みは、多くの場合、ヒリヒリ、イガイガといった比較的軽度のものです。しかし、「つばを飲み込むのもつらいほどの激痛」「カミソリで切られるような鋭い痛み」が続く場合は、注意が必要です。これは、細菌感染による「急性扁桃炎」や、喉の奥がひどく化膿する「扁桃周囲膿瘍」などを疑うサインです。喉の見た目: 鏡で喉の奥を見てみましょう。ただ赤いだけでなく、左右の扁桃腺が真っ赤に腫れ上がり、白い膿(白苔)が付着している場合は、溶連菌感染症やアデノウイルス感染症(プール熱)などの可能性があります。随伴症状: 風邪であれば、喉の痛みと共に、咳や鼻水、くしゃみといった症状がバランスよく現れることが多いです。しかし、喉の痛みだけが突出して強く、他の風邪症状がほとんどない場合は、他の病気を考える必要があります。また、39度以上の高熱が数日間続く、全身に発疹が出る、といった場合も、単なる風邪ではない可能性が高いです。声の変化: 喉の痛みに加えて、「声がれ(嗄声)」がひどく、ほとんど声が出ないような状態が続く場合、炎症が声帯にまで及んでいる「急性喉頭炎」が考えられます。息苦しさ: 喉の痛みに加えて、「息がしにくい」「呼吸をするとゼーゼー、ヒューヒューという音がする」といった呼吸困難の症状がある場合は、喉の奥(喉頭)がひどく腫れて、気道が狭くなっている危険な状態です。特に、子供の「急性喉頭蓋炎」は、窒息の危険があるため、救急受診が必要です。これらのポイントに一つでも当てはまるような、「いつもと違う」と感じる喉の痛みがあれば、自己判断で市販薬に頼らず、速やかに耳鼻咽痕科や内科を受診してください。
風邪とどう違う?喉の痛みで見るべきポイント