ある日突然、舌にピリピリとした痛みを感じたり、食べ物がしみたり、あるいは口内炎のようなものができて痛んだり。舌の痛みは、食事や会話といった日常生活に直接影響するため、非常につらく、気になる症状です。しかし、いざ病院へ行こうにも、「この症状は、一体、何科に相談すればいいのだろう?」と、多くの人が迷ってしまいます。口の中のことだから歯科?喉に近いから耳鼻咽喉科?それとも内科?この最初の診療科選びは、的確な診断と早期の回復に繋がる重要なステップです。結論から言うと、舌の痛みで、まず最初に受診を検討すべき診療科は、複数あります。患者さんの症状によって、最適な科が異なるのです。まず、口内炎や、舌の表面の明らかな異常(できもの、色の変化など)が原因である場合は、「歯科」や、より専門的な「歯科口腔外科」が第一の選択肢となります。歯科医師は、口の中の粘膜疾患の専門家であり、視診や触診によって、その痛みがどこから来ているのかを的確に診断してくれます。特に、歯科口腔外科は、口の中にできる腫瘍(良性・悪性含む)の診断や治療も専門としており、しこりなどを伴う場合には、最も頼りになる存在です。次に、喉の違和感や、舌の付け根あたりの痛みが強い場合、あるいは味覚の異常などを伴う場合は、「耳鼻咽喉科」が適しています。耳鼻咽喉科医は、ファイバースコープなどを用いて、肉眼では見えない舌の奥や、喉の状態まで詳しく観察することができます。また、舌の痛みに加えて、全身の倦怠感や、他の皮膚症状など、内科的な不調も感じている場合は、「内科」や「皮膚科」への相談も考えられます。鉄分やビタミンの欠乏、あるいは自己免疫疾患などが、舌の痛みを引き起こしている可能性もあるからです。もし、どの科に行けばよいか全く見当がつかない、という場合は、まずはかかりつけの歯科医、あるいはお近くの耳鼻咽喉科に相談してみるのが良いでしょう。そこで専門外と判断されれば、適切な診療科へ紹介してもらえます。
舌が痛い。まず行くべき診療科はどこ?