先週まで、私は手足口病を完全に侮っていました。「子供がかかる、ちょっと発疹が出る夏風邪でしょ?」と。一週間前、保育園に通う息子が手足口病と診断されました。手のひらと足の裏にポツポツと発疹は出たものの、熱もなく、本人は至って元気。そんな姿を見ていたので、まさか自分がその数日後、地獄を味わうことになるとは夢にも思っていませんでした。始まりは、水曜の夜の悪寒でした。急に体中の節々が痛み出し、熱を測ると39度。インフルエンザかと思い、翌朝、内科を受診しました。しかし、検査は陰性。「夏風邪でしょう」と解熱剤を処方され、帰宅しました。その日の午後から、異変は本格化しました。ふと手のひらを見ると、見覚えのある赤い斑点が。足の裏、そして足の甲にも、それは瞬く間に広がっていきました。そして、夜には、それらが耐え難い痛みに変わったのです。足の裏は、まるで無数の針が突き刺さっているようで、一歩も歩けません。トイレに行くにも、四つん這いになって進むしかありませんでした。手のひらの痛みもひどく、スマートフォンの重ささえ苦痛でした。そして、喉の痛み。口の中は口内炎だらけで、水を含むだけで激痛が走り、食事はゼリー飲料を流し込むのがやっと。高熱と全身の痛み、そして眠れないほどの喉と手足の激痛。あまりのつらさに、情けなくも涙が出ました。金曜日に、皮膚科を再受診し、ようやく「大人の手足口病」という確定診断が下りました。特効薬はなく、ただひたすら痛み止めを飲み、嵐が過ぎるのを待つしかないとのこと。結局、痛みのピークは三日三晩続きました。週末を完全に寝たきりで過ごし、週が明けて、ようやく少しずつ痛みが和らいできた時には、心身ともに疲れ果てていました。子供の病気だと甘く見ていた自分を、心から殴ってやりたいです。もし、あなたの周りで大人が手足口病にかかったら、どうか「大変だね」と、その苦しみを理解してあげてください。それは、決して大げさではないのですから。