私は、長年、慢性的な肩こりに悩まされてきました。職業はWebデザイナー。一日中パソコンに向かい、締め切り前は休日返上で作業することも珍しくありません。肩こりは、もはや職業病だと諦めていました。定期的にマッサージに通い、その場は楽になるものの、数日もすれば、また肩に重い鉄板が乗ったような、ガチガチの状態に戻ってしまいます。整形外科にも行きましたが、「ストレートネック気味ですね」と言われ、湿布とストレッチの指導を受けただけ。根本的な解決には至りませんでした。転機が訪れたのは、ある健康診断でのことでした。血圧測定で、何度測っても上が150を超えてしまう。「緊張しているせいかな」とその時は思いましたが、後日、念のため内科を受診することにしました。内科の医師に、最近、肩こりと共に、後頭部が重い感じの頭痛がすることを話すと、医師は「高血圧が関係しているかもしれませんね」と言いました。そして、数日間の家庭での血圧測定を指示されました。記録をつけてみると、自宅でリラックスしている時でも、血圧は常に高めであることが判明。診断は「本態性高血圧症」でした。医師の指導のもと、まず減塩を中心とした食事療法と、ウォーキングなどの軽い運動を始めることになりました。正直、最初は半信半半疑でした。血圧と肩こりが、自分の中でどうしても結びつかなかったのです。しかし、生活習慣の改善を始めて一ヶ月ほど経った頃、体に明らかな変化が現れました。血圧が少しずつ安定してきたのと並行して、あれほど頑固だった肩のこわばりが、明らかに軽くなっているのです。後頭部の重い痛みも、いつの間にか感じなくなっていました。医師によると、高血圧によって、首や肩の血管が常に緊張状態にあり、血流が悪化していたことが、私の肩こりの大きな原因の一つだったのだろう、とのことでした。もちろん、長年のデスクワークによる姿勢の問題も大きいでしょう。しかし、内科的なアプローチによって、長年悩まされてきた肩こりが、これほど改善するとは、まさに目から鱗でした。この経験を通して、私は、体の不調は、一つの原因だけで起こるのではなく、様々な要素が複雑に絡み合っているのだということを、身をもって学びました。